カテゴリー「345. スイス」の3件の記事

「シェロモ(ソロモン)」(エルネスト・ブロッホ)

「[ソロモン] Schelomo 〔Heb〕

 エルネスト・ブロッホのチェロとオーケストラのための作品。1916年の1月から2月にかけてジュネーヴで作曲。彼のアメリカ移住後まもない1917年に初演された。この作品は,もともとソロモン王の〈箴言〉に基づいた,歌とオーケストラによる連作として発表されるはずであったが,曲を献呈したチェロ奏者のアレクサンドル・バルヤンスキー Alexandre Barjanski に触発されて,ブロッホは声楽部分をチェロの独奏に書きかえ,彼にとってイスラエルの王であった〈老賢人〉を単なる肖像とした。

 最初,独奏者は重々しい響きをもった〈カデンツァ風〉のエピソードによって暗い雰囲気をかもし出す。続いて,4つの主要部分に入っていくが,それぞれの部分はオーケストラの頂を形成するチェロによって始められる。第1部では基本となる旋律の楽想が現われ,第2部では多様な色彩の変化のもとにしだいに速度が早まる。第3部は静かに始まり,徐々に複雑なリズムになって最も東洋を思わせる。第4部はフーガで,長調の明るさをのぞかせる。最後の盛り上がりの後,チェロは最初の雰囲気に戻り,『全面的なペシミズムに終わる。まさに主題がこれを裏づけている』(ブロッホ)。   M.V.」

  (Marc Vignal ヴィニャル,マルク

   音楽批評家,ラジオ・フランスのプロデューサー)

  (『ラルース世界音楽事典[上]』 福武書店,964p.)

  

※いわずと知れた、ブロッホの代表作(と、されているもの)。

演奏頻度にせよ、録音数にせよ、依然としてダントツでしょう。

なお、「シェロモ」というタイトルは、「ソロモンのヘブライ語読みを発音通りに綴ったもの。」ということだそうです。

  

※それから、ここで執筆されているマルク・ヴィニャル氏には、

マーラーに関する著作がありました。(海老沢 敏 訳,白水社)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

エルネスト・ブロッホの生涯(1)

「ブロッホ,エルネスト

Bloch,  Ernest

(1880年7月24日ジュネーヴ生,1959年7月15日オレゴン州ポートランド没) スイス生まれのアメリカの作曲家,教師。

1.生涯

1890年代に故郷のジュネーヴで,ルイ・レにヴァイオリンを,ジャック-ダルクローズに作曲を学ぶ。マルシックの勧めでまずブリュッセルに赴き,97年から99年までウジェーヌ・イザイ(ヴァイオリン)とラス(作曲)のもとで勉学を続け,1900年にはフランクフルトで主にクノルに師事した。クノルからは,ブロッホも認めているように,独自に思考することと自己の音楽的個性を開発することを学んだ。01年から03年までミュンヘンで過ごし,トゥイレから何度かレッスンを受けたほかは,おおむね独学であった。パリに1年間滞在した後,ジュネーヴに戻り,マルガレーテ・シュナイダーと結婚して,父が営む時計製造業に従事する。続く数年間は,ヌシャテルとローザンヌでオーケストラの演奏会を指揮し(1909~10),ジュネーヴ音楽院で美学の講義を行いながら(1911~15),余暇を作曲活動に充てた。」

   DAVID Z. KUSHNER

  (「ニューグローヴ世界音楽大事典」 15巻 577p.) 

   

※父親の家業は、時計製造業。やはりスイスですね…

  

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

未完の記事のつもりでしたが、とりあえず発表いたします。

ブロッホが師事したり、助言を仰いだ人物達については、

「ニューグローヴ世界音楽大事典」に項目が立てられておりますので、

また時間のある時に、ごく簡単に記述してまいりたいと思います。 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

エルネスト・ブロッホの言葉

「スイスの森や山の中で、私は《マクベス》を書いた。そのとき、私は二十五歳であった。その作品はわりあいに早くできあがった。そのほとんどは、燃え上がるような心をもって書いたが、そうでないところは、修正と削除をゆっくりと行なった。ある情景ははげしい喜びを私に与えてくれたが、しばしば失望することもあった。ときには、詩と音楽を完全に結合することができたと感じたが、そうでないときは、落胆で打ちのめされてしまった。私のやるべきことはシェークスピアを鏡のように映し出すことで、同時に私自身を主張することであった。私はドビュッシーでもなければワーグナーでもないし、だからといってフランクでもない。私はつねに完全に私自身なのである。その点では私はきわめてエゴイストである。私は偏見は持っていないが、他の人の表現を真似しようとは思わない。賛嘆はするが、それを模倣しようとは思わない。芸術家の発展というものは、嬰児の成長に似たところがある。」

 「…これはマリア・ティバルディ・キエザというイタリアの女流評論家が書いた『アーネスト・ブロック』という書に紹介されている彼の言葉の一節。ブロックが一九〇九年までに書いた、ただ一つの歌劇《マクベス》に関連して語った随想ふうな一文である。」

 「…ここでふれられている歌劇《マクベス》は彼の若い時代の作品で、このジャンルではこれ一作しかない。作風的には後期ロマン主義的な技法でまとめられており、そのためか、ここでの言葉は若さの気負いみたいなものを彷彿とさせるが、同時にそれが創作活動の基本ということも感じさせるところがある。」

  (「大作曲家があなたに伝えたいこと 100のアイディア」 千蔵八郎、春秋社、1998年刊、136-137p.)

    

 たまたま自宅にあった書物から、引用させていただきました。

「アーネスト・ブロック」というのはもちろん、Ernest Bloch (1880-1959)の英語読みです。

ブロッホについての、単独の日本語書籍は(私の知る限り)出版されていないので、こうした記事が、たいへん貴重であります。

  

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  

 ※mixiのコミュニティ、"Ernest Bloch"のための記事です。

(管理人様のご指名により、副管理人をさせていただいております。)

今年は没後50年。「シェロモ」以外は、まだまだかなりマイナーといえるこの作曲家、

少しでも多くの新たな情報が、わが国にも入ってきてほしいですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)